代表あいさつ

代表理事 澤田敦子

これまで秋田県は所管部署にとどまらず関係する行政や学校、地域等の連携において共生社会の形成を目指してきました。

しかしながら昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大により、接触機会を極力減らす新たな日常が始まり、今後の共生社会の形成を考える上で我が県においても弾力的な対応が求められると感じています。

 私たちは現在、不登校にある小中学生に対し日中の居場所を提供しています。不登校児童を持つ家庭や学校、地域のボランティアの方と関わる中で「共に生きる社会」や「生きづらさ」について様々な話を耳にしてきました。

子どもが不登校になると家族までもが罪悪感をもち、人の目を気にしながら社会から隠れようとします。孤独と寂しさは計り知れないはずです。地域の実情に即した共生社会を形成することで、弱き立場の者を励まし複雑多様化する地域課題解決の一助となるのではないでしょうか。

 不登校の子は自分自身がマイナスの存在であると考えます。

このような子ども達に自己肯定感や有用感を育み、共生するためにはどうしたらよいのか。またコロナ禍でのコミュニケーション構築はどうすべきか。

私たちは人と関わる機会が少ない不登校の子ども達に様々な講座を企画し、能力の向上に努めてきました。調理実習、軽運動、オンライン英会話など、多彩な講座には人生経験豊かで幅広い世代の講師が参加し、今も交流を続けています。

また少人数の講座であったためラポールはすぐに形成されたように感じました。多様な悩みがあるように、多種多様な生き方があっていい。秋田県全体にインクルーシブの考えや実践が浸透することで、生きやすい社会が形成されるのではないでしょうか。

社会との共生を求める人を待っているだけではなく、積極的に関わりを持つことが大事だと感じています。行政の力、民間団体のスキルを連携させ、誰もが同じく生きられる美しく温かい秋田県が出来ることを願ってやみません。